給与計算教室臨時号 〜ボーナスの手取りを計算しよう〜
ボーナスの時期がやってまいりました!
しかしそんな嬉しいボーナスからも、しっかり保険料やら税金が天引きされます。
ボーナスの天引きは、いつものお給料からの天引きと何が違うのか?
手取りはいったいいくらになるの?
今回は臨時号として、賞与計算の方法を紹介します。
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天引きされるか、されないか
- | 給料 | ボーナス |
---|---|---|
健康保険料 | ○ | ○ |
介護保険料 | ○ | ○ |
厚生年金保険料 | ○ | ○ |
雇用保険料 | ○ | ○ |
所得税 | ○ | ○ |
住民税 | ○ | × |
あまり表にする意味なかったですね。。
ボーナスで天引きされないのは住民税だけです。
住民税は、もともと決まっている金額を12ヶ月で割ったものが
毎月の給与から天引きされるようになっているので、
ボーナスからは天引きをする必要がありません。
健康保険料
普段のお給料での計算方法は標準報酬月額というものを使いますが、
ボーナスの場合はいたってシンプルです。
支給額を千円未満で切り捨てた額に、
自分の加入する組合の健康保険料率をかけてやります。
例えばボーナス654,321円で、協会けんぽ(東京)加入とすると、
654,000×4.985%*1(個人負担分)=32,602円 が天引きされます。
ただし!
4月から翌年3月のあいだにもらったボーナスの合計額が、
540万円を超えた場合、その超えた部分については保険料がかかりません。
今回のボーナスで300万、12月のボーナスでも300万もらうとしたら、
12月で540万を超えた60万については保険料がかからないのです。
まあ私なんぞには関係ない話ではありますが。。
介護保険料
これは40~65歳の人が対象ですね。
これも健康保険料と同じく、支給額を千円未満で切り捨てた額に、
自分の加入する組合の介護保険料率をかけてやります。
協会けんぽ(東京)であれば0.775%*2(個人負担分)です。
あ、あと今月40歳になる方に向けて、ひとつ注意点を。
(※法律では、誕生日の前日に歳をとることになっています。
なので6/2~7/1が誕生日の人が、今月40歳になる、ということになります)
今月40歳になる方は、早速6月から介護保険に加入するわけですが、
まず普段のお給料から介護保険料が天引きされ始めるのは、来月給与からです。
(健康保険料・厚生年金保険料にも共通する話ですが、
今月分の保険料は来月のお給料から天引きされる仕組みとなっています。)
しかしボーナスに関しては、来月のボーナスから天引き。。とはいかないので、
今月分のボーナスできっちりとられるんですよね。
なので今月40歳になるひとは、
今月のお給料ではまだ介護保険料が天引きされてないのに、
ボーナスからは天引きされているッ・・・なぜ・・・ッ!となるかもしれませんが、
正しい処理なので落ち着いてください。
まあ他に比べたらたいした額ではないと思いますしね。
厚生年金保険料
これもまたまた同じく、支給額を千円未満で切り捨てた額に、
厚生年金の保険料率8.206%*3(個人負担分)をかけてやります。
厚生年金はみんな同じ料率ですよ。
で、厚生年金は、1回あたりのボーナスで150万円を超えた部分については
保険料がかかりません。まあこれも縁遠い話ですがね。。
雇用保険料
これは千円未満切捨てなどせず、
そのままの支給額に0.005%(個人負担分)をかけます。
普段のお給料の時と同じです。
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所得税
ボーナスの場合、ちょっと特殊です。
普通はボーナスの額によって税率が決まり、それをボーナスにかけてやる、、
と想像しがちですが、ボーナスでは先月のお給料の額によって税率が決まります。
ボーナスが少なくても前月のお給料が多ければ所得税率も高くなるし、
ボーナスが多くても前月のお給料が少なければ所得税率も低くなるんです。
えっ、そんなのなんだか不公平!と思われるかもしれませんが、ご安心を。
きちんと年末調整で正しい税額が算出され、清算されますので。
具体的な方法は、こちらの表を使います。
例えば今月だと、まず先月5月のお給料から
社会保険料の合計額と、通勤費などの非課税のものを引いてください。
その金額を扶養している人数列から見つけ、そこの一番左列の数字が
あなたの税率になります。
みつかりましたか?あとはその税率をボーナスにかけてやってくださいね。
まとめ
健康保険料 | 千円未満切捨て×保険料率 |
---|---|
介護保険料 | 千円未満切捨て×保険料率 |
厚生年金保険料 | 千円未満切捨て×8.206% |
雇用保険料 | そのままの支給額×0.005% |
所得税 | 前月給与の課税対象額と、さっきの表を使う |
住民税 | なし |
以上、ボーナスの手取り計算方法についてでした。
これらをなんとなくでも頭に入れて、
是非いつもと違うボーナスの味わい方をしてみてください。
※この記事の内容は更新日時点のものです。法改正など制度が変更されている場合もありますのでご注意ください
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