【平成25年】一番わかりやすい年末調整書類の書き方 〜扶養控除等申告書〜
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見落としやすいポイントをまとめてます
こんにちは。
はやいものでもう平成24年の11月、年末まで残り2ヶ月となってしまいました。職業柄、年末といえば年末調整がまっさきに思い浮かんでしまうので、今日はその年末調整、特に書類の書き方について書いてみようと思います。
なんのためにあの面倒な書類を書くのか、ずばり一言で言ってしまうと、「少しでも自分の所得税を安くするため」です。安くなる→年末調整で戻ってくる額が増えるってことですね。なのでしっかり理解して記入しないと、損するのは自分なのでもったいないですよ!
書類と年末調整のカンケイ
そもそも年末調整ってなんだっけという人は、まずはこちらで復習してみてください。まずはその年末調整の処理と、会社で配られる書類がどう関係してくるのか、それを理解した上で書類と向かい合えるようになりましょう。
年末調整での所得税の計算方法なんですが、ただ単に稼いだ金額に税率を掛け算して求めるわけではありません。
- ①給与所得控除:サラリーマンにもいろいろ諸経費がかかるよね、そのぶん引いてあげるよ、といった考慮が反映されたもの
- ②人的控除:養っている人数分、安くしてくれる
- ③保険料控除:この1年支払った保険料の額に応じて、安くしてくれる
- ④住宅借入金等特別控除:家のローンがある人はさらに安くしてくれる
このように、稼いだ金額から、いくつか控除してくれて、④はまあ例外的ですが、最終的に残った金額に対して税率をかけるようになっているのです。で、①については自動的に計算して勝手に控除してくれるため、特に書類なんかを書かなくても大丈夫で、問題は②③④です。これは自分で申告しないと控除してくれません。そりゃそうですよね、言ってくれないと会社も分かりませんから。そのための申告用書類が、いまの時期みなさんの会社で配られているというわけです。
で、今回は②の申告方法、次回で③の申告方法をやります。④については複雑で私も不勉強のため、今年はスルーいたします。。
人的控除の申告書類
会社からは、以下2枚の書類が配られると思います。
右上のマークから、上の書類をまるふ、下の書類をまるほ、と呼んだりします。人的控除を受けるためには、まるふと、まるほの右上半分を使います。まるほのそれ以外の部分は次回の保険料控除の際に使いますよ。
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まるふの書き方
いよいよ本題です。まずはまるふの書き方からいきましょう。
まずこの書類は、養っている人がいようといなかろうと、全員提出する必要があります。なので独身の方や、家族はいるけどみんなある程度収入があったり、今年こそは配偶者の欄を埋めたかったけど残念ながら果たせなかった人などは一番上の赤い、全員と書いてある部分だけを記入して提出します。印鑑を押す場所に注意してくださいね。
ではそれ以下の部分には何を書けばいいのかみていきましょう。
- A:年収103万円以下*1の配偶者
- 70歳以上(昭和19.1.1以前生)の配偶者であれば、生年月日の右の欄に◯をつけておきます。所得税がさらに安くなりますよ。
- B:年収103万円以下*2で、かつ平成10年1月1日以前に生まれた家族
- 70歳以上(昭和19.1.1以前生)の家族の場合、生年月日の右の欄のどちらかに◯をつけておきます*3。この場合も所得税が安くなります。
- 平成3.1.2〜平成7.1.1生まれの場合(だいたい大学生の年齢かと)、オレンジで囲った「特定扶養親族」の欄に◯をつけましょう。これまたさらに所得税が安くなります。いちばん学費等がかかる時期ですしね。
- C:障害者、寡婦などに該当する場合
- 1の部分には、自分や扶養家族が障害者となる場合、その障害の程度や誰が障害者なのかを、該当するマスに◯をつけます。
- 2〜5には、自分がこの中のどれかに該当する場合、番号に◯をつけます(今回は詳細を省きます、、)。
- D:自分ではなく、配偶者の扶養に入っている家族
- 例えば両親共働きで、こどもは旦那さん(=他の所得者)の扶養に入っている場合など。奥さんはこの欄にこどもの名前を記入することになります。所得税の計算にはまったく関係ありませんが、一応ちゃんと書いておきましょう。
- E:平成10年1月2日以降生まれの扶養家族
- 中学生までの扶養家族はこっちの欄に記入します。お子様が多いといろいろ家計も大変かと存じますが、実は中学生までのお子様は所得税が安くなる対象となりません。高校生の年齢からなんです。
- じゃあ安くならないのになんでわざわざ書かないといけないかっていうと、市区町村と会社にお知らせするためです。会社が独自に支給している子供手当なども、ここの欄を見て判断したりしているので、忘れずに記入しましょう。
で、最後に注意してほしいのは、所得の見積額を書くところです。ここには、収入金額そのままを書いてはいけません。以下の表から給与所得控除額を算出し、それをひいてやった金額を書いてください。
年間総支給額(A) | 給与所得控除額 |
---|---|
~180万以下 | A×40%(65万未満の場合は65万) |
180万超~360万以下 | A×30%+18万 |
360万超~660万以下 | A×20%+54万 |
660万超~1,000万以下 | A×10%+120万 |
1,000万超~ | A×5%+170万 |
参照:No.1410 給与所得控除|税について調べる|国税庁
まあしかし先ほども挙げたように、扶養控除を受けられるということは年収が103万円以下のはずですからみんな一番上の行にあてはまり、給与所得控除額は65万に満たないはずです。そしてかっこのとおり65万未満の場合は65万とみなすことになっているため、例えば年収90万だった場合は90万−65万=25万を記入することになります。
まるほ(右上半分)の書き方
次はまるほです。まるほには、103万超〜141万未満の収入があった配偶者*4について記入します。よく103万の壁とか言われますが、多少超えても配偶者特別控除というものが存在するのです。もちろん103万以下の場合より控除の額は少なくなりますが、金額に応じてちゃんと控除してもらえますのでしっかり書いときましょう。
ただし、今年のあなた(申告者本人)の収入が12,315,790円を超えていた場合は対象外となるので注意して下さい。まあ、そんだけ稼いでたら控除しなくてもいいよねってことですね。しかしこれも人的控除なのに、まるふじゃなくてまるほなのは、まあ単純にスペースの問題だったのでしょう。以下、記入例です。
まず紫で塗っているところですが、ここでもさっき述べたように、収入金額をそのまま書いてはいけません。さっきの表を使って、給与所得控除したあとの金額を書いてください。概算で大丈夫ですので。
次に、ほとんどの方が給与所得に該当すると思うので*5、給与所得のa列に、配偶者の収入金額を書きます(これは収入金額そのまま書いてください)。
で、必要経費のb列にある65万円*6をマイナスした額を、所得金額a-b列に書きます。その金額を四角Aにそのまま記入し、次はその金額を早見表から見つけ出しましょう。そのまま目を右にスライドさせ、四角B控除額を特定してください。見つかりましたか?それがそのまま、一番下の配偶者特別控除額となります。この金額が、たとえば旦那さん本人の収入からマイナスされて、マイナスされた後の金額に対して税率がかけられるという流れです。
人的控除については、まあこんなところでしょうかね。はあ、疲れました。たくさん書いてしまった気がしますが、分かりにくい箇所があったらすみません。あ、あと最後に、今回お伝えしておきたいことがもう一つ。
今年転職した人、学生→社会人なった人へ
年末調整では1年間(今年であれば平成24年1月1日から平成24年12月31日)の収入をもとに、最終的な所得税の金額を計算するんでしたよね。なのでその途中でいまの会社に入った人や、1〜3月まではアルバイトをしていて4月から社会人になったという人は、ちゃんと会社に「わたしここの会社に入社する前に、こんだけ稼ぎました」という報告をする必要があるわけです。
報告をうけた会社はちゃんとその金額を合算して年末調整をやってくれます。で、その報告手段というのが「源泉徴収票」の提出になるのですね。そこには稼いだ金額と天引きされてきた所得税、社会保険料の額が書かれており、その3つともが年末調整の計算に必須となる大事な情報源です。退職した際に必ず源泉徴収票をもらっているはずですので(もらってない場合は勇気を出して前の会社に連絡をとってください)、忘れずにいまの会社に提出しましょう。もし提出期限に間に合わなかった場合は、自分で年明けに確定申告しに行く必要があるので要注意です。
はい、長くなりましたが今回はここまでです。次回はまるほ左半分の書き方をやります。これに関しては法改正で去年とは勝手が変わってしまったのでちょっと大変かもしれませんね。だからといって適当に済ますと年調担当者の逆鱗に触れることになりかねませんので、ぜひ正しく丁寧に取り組むことをおすすめします。
ではまた次回〜
※この記事の内容は更新日時点のものです。法改正など制度が変更されている場合もありますのでご注意ください
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