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みんなの給与計算教室

たのしく給与計算の方法を学ぼう

一番わかりやすい年末調整書類の書き方 〜保険料控除申告書〜

この記事は平成24年のもので古いです。平成28年分の書き方についてはこちら↓↓

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平成28年分の書き方(扶養控除等申告書)についてはこちら

見落としやすいポイントをまとめてます

こんにちは、給与計算教室です。
前回の年末調整書類の書き方・その1はいかがでしたでしょうか。年末調整とは毎月徴収されている所得税を正しく計算しなおして差額を精算することであり、その際に家族を養っていたり保険料を払っているとたくさん控除がうけられる=所得税が安くなるという嬉しい特典がありました。その特典をうけるためには会社で配られた申告書類を自分で記入する必要があるので、正しい精算のためにも、ちゃんと自分でそれなりに理解しながら書きましょう、というのがこのシリーズの趣旨であります。

前回は家族を養っている人がどうやって書けばいいかを説明したので、今回は保険料を払っている人のための書類の書き方・記入例をみていきましょう。
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保険料控除申告書の構成

前回登場した給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書、通称「まるほ」の残りの部分(配偶者特別控除の欄以外の部分)を使って申告します。なんだか字も小さいしごちゃごちゃ感ありますが、構成をつかめば簡単です!

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色をつけたとおり、年末調整で控除される保険とは、大きく分けてまずこの4つです。

  • 1:生命保険料控除
  • 2:地震保険料控除
  • 3:社会保険料控除
  • 4:小規模企業共済等掛金控除

いまからやることを簡単に言うと、該当する保険の欄にそれぞれ「今年中に払った・払う予定の保険料の額」を記入していくわけですが、それだけで終われば楽なんですけど、に関しては「自分で控除額を算出する」という作業をしないといけません。

何度も言いますが所得税とはただ単に収入に税率かけて求めるんじゃなくて、保険料とか払ってたらその分、収入から差っ引いてくれるんでしたよね。でも支払った保険料の全額を収入から控除できるわけではなく、さすがにある程度控除できる上限が決められているので、それを踏まえた上で自分で控除額を算出して書いてね、という作業が要求されているわけです。少々面倒かもしれませんが、気を確かに持って、早速1〜4それぞれの書き方をみていきましょう。

1:生命保険料控除

都道府県民共済や、民間の生命保険会社に加入して保険料を支払っている場合、以下3つに分類してそれぞれの欄に記入していきます。自分の保険がどれになるのかは、保険会社から送られてきた「保険料控除証明書」にきちんと書いてあるはずですので、よくよく確認してみましょう。

  • 一般の生命保険料
  • 介護医療保険料
  • 個人年金保険料

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そう、去年までは2つの分類だったのが、今年から介護医療保険料の枠ができて、3つになったんですよね。それによって控除できる限度額も以下のように変わりました。

分類 去年 今年から
一般の生命保険料 5万円まで 4万円まで(旧契約は5万まで)
介護医療保険料 - 4万円まで
個人年金保険料 5万円まで 4万円まで(旧契約は5万まで)

よって、この生命保険料の欄では最高12万円の控除が可能となりました(右下の赤枠)。今回は時間の都合上、一般の生命保険料の記入例のみを取り上げますが、介護医療保険と個人年金保険料も同じ要領ですので、参考にしてみてください。

【一般の生命保険料の記入例】
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【計算式】
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※赤色が新保険料、緑色が旧保険料です。
※学資保険も対象になるのでお忘れなく。

今年、なにがややこしいかというと、新保険料と旧保険料という新しい区分ができていて、しかもそれぞれ計算式が違うという点です。しかしよく見ればそんなたいしたことないので、落ち着いて取り組んでみましょう。

*保険会社等の名称、種類、保険期間

保険会社からのハガキに記載されているはずですので、そのまま記入します。たまに保険会社の名前がめっちゃ長くて入りきらない!ってこともあるかもしれませんが、略称でもかまいません。正しく伝わればそれでいいんです。

*保険等の契約者の氏名

かわりにあなたが保険料を支払ってあげたのであれば、配偶者やその他親族が契約している保険でも対象になります。

*保険金等の受取人(氏名・続柄)

ここ、地味に重要です。たまにハガキに書かれていなかったりするので、そのまま空欄で提出されるかたがいるのですが、きちんと記入しましょう。年末調整で対象となるのは、受取人が本人または配偶者その他の親族と決まっており、まあそれ以外に普通いないだろって思うかもしれませんが、いちおう受取人が適切であることを証明するために書いておく必要があります。

*新・旧の区分

じつに単純明快です。該当するほうに丸をつけます。

契約締結日が平成24年1月1日以降の保険
契約締結日が平成23年12月31日以前の保険

ちなみに介護医療保険料は必ず平成24年1月1日以降のはずなので、無条件に新だよねってことで新旧の区分の欄がありません。

*あなたが本年中に支払った保険料等の金額(分配を受けた剰余金等の控除後の金額)

ここもよく間違えやすい部分ですね。ハガキにはよく「証明額」と「参考額(申告額)」2種類の金額が記載されており、どちらを書けばいいのか迷ってしまいます。正解は「参考額(申告額)」のほうです。

証明額 ハガキを発行した時点の支払金額
参考額(申告額) このまま契約内容を変更せずに、
平成24年12月31日まで支払っていった場合の金額

※保険会社によっては言い方が違ったりします
年末調整は、今年であれば平成24年12月31日時点の情報をもとに行うため、平成24年12月31日時点での保険料支払額を書く必要があるのです。なので書類にはかならず参考額(申告額)を書きましょう*1

また、かっこ書きで「分配を受けた剰余金等の控除後の金額」とありますが、配当金などを受け取った場合はその金額をマイナスしてくださいねという意味です。しかしたいてい、ハガキの参考額はすでにマイナスされてる金額かと思うのでそのままで大丈夫だと思います。

*A欄、B欄

Aには新契約の保険料、Bには旧契約の保険料の合計額を書きます。

*①の欄、②の欄

①には、A欄の金額を計算式Ⅰにあてはめて算出した金額を、②には、B欄の金額を計算式Ⅱにあてはめて算出した金額を書きます。記入例の場合こうです。
①:A欄30,000円→30,000✕1/2+10,000=25,000円
②:B欄150,000円→一律に50,000円

*③の欄

①と②を合計します。

*イの欄

②と③の額を比べて(オレンジで囲んだところ)、大きいほうを記入します。

*保険が多くて、行が足りないのですが。。。

自分で行を増やしたり、同じ紙を用意して書いてもらってもいいのですが、①と②がそれぞれ限度額に達したなら、なにも全部申告しなくていいのです。そこでストップしてかまいません。というかストップして!!!これ以上申告しても控除額が変わらないのに大量に申告しまくるのは年調担当者から呪いのようなものをかけられる恐れがあります。

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2:地震保険料控除

地震保険に入っていると、最高5万円までの控除を受けられます。対象となる保険の条件としてはこうです。

  • 自分、または生計を一にする配偶者などの親族が所有する建物または家財であること
  • 常時住宅として使用していること(生活の拠点としてそこに住んでいること)

また、ちょっと前までは損害保険も控除の対象となっていたのですが、その制度は廃止されてしまいました。しかしいきなり廃止するのもあれなので、経過措置として、以下すべてにあてはまる長期損害保険については特別にまだ控除の対象としてくれます。

  • 平成18年12月31日までに契約した
  • 平成19年1月1日以降、保険料の変更がない
  • 保険期間が10年以上
  • 保険期間満了後に満期返戻金がある

【記入例】
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※この場合、お母さんとは生計を一にしている必要があります(仕送りを送っている等)

  • 地震保険と長期損害保険、どちらにあてはまる契約なのか、区分に丸をつけます。
    • ひとつの契約で、地震保険も長期損害保険もかねているような保険の場合、どちらか好きな方(金額の多いほうが得)を選択して記入してください。
  • Aにはさっきの生命保険と同様、現時点での払い込み金額ではなく、12月31日までの支払見込み額を書いてください。
  • Bには地震保険料の合計額、Cには長期損害保険料の合計額を記入します。
  • 一番下の欄に、それぞれBとCの金額をもってくるのですが、上限があるのでそれを考慮して記入します。
    • 地震保険料は5万円まで書けます。
    • いっぽう長期損害保険は1万円を超える場合、2で割って5,000円をプラスした金額を書くのですが、その金額が今度は15,000円を超える場合には、15,000円を記入することになります。上の例では15,000円を超えていないので、2で割って5,000円プラスした金額そのままを書きます。
  • 最後にそれぞれの控除額を合計して終わりですが、書けるのは5万円までです。

これもたったの2行しかありませんので、控除額が5万円を超えた時点で完了して大丈夫です。

3:社会保険料控除

ここからは、今年中に支払った/支払う予定の額を記入するだけなので簡単です。記入した全額が控除の対象となりますからね。この3の欄に該当するのは、だいたい以下のような保険たちになります。

  • 国民年金保険料
  • 国民健康保険料
  • 国民年金基金の掛金
  • 年金から控除される介護保険料

これももちろん、というか今回の話すべてに言えることですが、自分のだけじゃなくて、家族のぶんまで支払ってあげた金額も対象になります。よくあるのは国民年金保険料の、子どもが20歳になったけどまだ学生で、学生納付特例制度を使わずお父さんが払ってあげたというケース。お父さんは忘れずこの欄に記入しましょう。もちろん社会人になってから自分で追納したよって人も記入できますよ。国民年金保険料1年分がだいたい18万円ですから、なかなかの控除額です。2,3年分まとめて払ったならなおさらですね。
【記入例】
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※支払先には、控除証明書の発行者を記入します。とはいえあまり気にされない部分ですので、続柄と金額さえ正しければ大丈夫です。

「まって、社会保険料って、今までの給与計算教室でやってきたような厚生年金保険料とか健康保険料とかもあてはまるんじゃないの?」はい、もちろんです。でもそれらの金額って会社は把握しているはずですよね。なので別に申告しなくても、勝手に会社の方でよろしくやってくれるので大丈夫*2

あっでも今の会社が把握できないような社会保険料、、たとえば前職で天引きされてきた保険料なんかのことは今の会社は知ったこっちゃありませんから、そこで前回も言ったように源泉徴収票の提出が必要となるのです。そこには前職で天引きされた社会保険料の合計額が書いてあるはずですから*3

4:小規模企業共済等掛金控除

この欄に該当する人は少数派かと思いますが、一応。

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  • 独立行政法人中小企業基盤整備機構の共済契約の掛金
    • 20人以下の会社や個人事業主さんが加入できる共済制度のことです。廃業になってしまった時に、生活資金としての退職金が受け取れる仕組みです。
  • 個人型又は企業型年金加入者掛金
    • 確定拠出年金のことですね。企業型で、給与から天引されているのであれば、おそらく記入しなくても大丈夫と思うのですが、このへんはちょっと自信がありません。。会社の担当者に尋ねてみてください。
  • 心身障害者扶養共済制度に関する契約の掛金
    • 地方公共団体が運用する、身体や精神に障害がある人を支援するための共済制度です。加入者には定期的に給付金が支給されます。

これらも全額控除の対象となるので、今年中に支払った/支払う予定の金額をそのまま記入すれば完了です!

念のため

記入した金額、、例えば生命保険料控除額のところが5万円だったら年末調整で5万円戻ってくる!!と勘違いされる方がいるのですが、違います。冒頭にも述べたとおり、あくまで収入から5万円が控除されるということです。いわゆる課税所得が少なくなるってことですね。

たとえば年収500万だったら、超超超超ざっくり簡単に言うと、なにも申告しなければ500万✕税率10%=所得税500,000円となるのが、5万円申告すれば(500万ー5万)✕税率10%=所得税495,000円、ということになるわけです(税率は人によって違います。10%は適当です)。

さて

これにて一応、年末調整書類の書き方は網羅できたかと思います。とはいえ私自身、結婚もしていなければ生命保険にもまだ加入していないため実際にこれを書いたことがなく、今回の記事にはあまり説得力がありません。もし間違っていたらすみませんが、そのへんは自己責任でおねがいいたします、、

まあまあ、とにかく少しでも書き方が分かって、スムーズな書類の提出につながれば幸いです。来月は、これら年末調整の結果が反映された源泉徴収票の読み方についてみていけたらと思います。
どうもおつかれさまでした〜

※この記事の内容は更新日時点のものです。法改正など制度が変更されている場合もありますのでご注意ください

この記事は平成24年のもので古いです。平成28年分の書き方についてはこちら↓↓

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*1:月払いの保険で、ハガキにも月額しか書かれていない場合は12をかけた金額を書きましょう

*2:会社で加入している団体保険料は、会社が勝手に処理してくれる場合もあれば、いったん社員に書類を返却して自分で書かせる場合もあります

*3:まるほに記入する必要はありません。源泉徴収票の提出だけでOKです

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