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みんなの給与計算教室

たのしく給与計算の方法を学ぼう

これですっきり!アルバイトさんの年末調整について解説

こんにちは、給与計算教室です。
年末調整シーズン真っ只中ですね。今年はアルバイトさんの年末調整についても書いておきたいと思います。バイト先から年末調整の書類を渡されたけど、いまいち意味がよく分からない。。そもそもアルバイトなのに、絶対書かなきゃいけないのかな?かけもちしてる場合はどうするの?など、不安や疑問でいっぱいという方はぜひ読んでみてください。

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SmartHRで年末調整


目次

1. 年末調整とは
2. 年末調整に必要な「扶養控除等(異動)申告書」
3. アルバイトをかけもちしている場合
4. 源泉徴収票を提出しろと言われたら?
5. アルバイト先が年末調整してくれない場合の対処法
6. ボーダーラインが103万の理由
7. 勤労学生控除を活用しよう

1. 年末調整とは

まず年末調整とはなんなのか、が理解できると頭のモヤモヤが少しすっきりすると思います。ひとことでいうと、年末調整とは「所得税の精算処理」のことです。

みなさんが毎月もらっているアルバイト代、それは立派な「所得」になります。所得もいろいろ種類があって、不動産持ってたら不動産所得とか、山持ってたら山林所得なんてのはなんとなく聞いたことがあると思いますが、みなさんのアルバイト代の場合はお給料なので「給与所得」といいます。ここ日本では、そういった所得をゲットした人に対して「所得税」という税金が発生し、アルバイトだろうがなんだろうが関係なく、きちんと国に納める義務があります。
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で、その所得税なんですが、本来自分で確定申告して支払うべきところを、会社勤めの人(もちろんアルバイトさん含む)の場合、毎月のお給料からちょっとずつ天引きされる仕組みになっています。ですがそれはあくまで概算額なので、毎年12月、一年間のアルバイト代が確定するタイミングで正しい所得税額をバチっと算出し、その額が今まで天引きされてきた合計額よりも多ければ追加で徴収されるし、少なければ戻ってくるという精算処理がおこなわれます。つまり年末に所得税額を調整すること、、それで年末調整と言われるわけです。

2. 年末調整に必要な「扶養控除等(異動)申告書」

じゃあアルバイト先に年末調整をやってもらうには何をすればいいのか。それはこの「扶養控除等(異動)申告書」を提出することが必須条件です。
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書き方についてはこちらの記事を参考にしてください。アルバイトさんの場合、一番上の氏名などの枠と、アルバイト代が103万超〜130万以下の方はCブロックの「勤労学生」にマルをつければ完了〜という人がほとんどだと思います。

「でも自分は所得税が発生するほど稼いでない(年間103万円以下)から、だったら所得税の精算処理である年末調整をする必要もないだろうし、提出しなくてもいいのでは?」という疑問を抱きがちですが、この申告書の提出の有無はもうひとつの処理にも大きく関係してきます。その処理というのは、毎月天引きされる概算の所得税額の算出です。毎月の所得税は、以下の表を使って算出するのですが、提出の有無によって見る列が違ってくるのです。
給与所得の源泉徴収税額表(平成27年分)

まず左2列から、あなたの今月の給与額*1を探してください。そして該当する行が見つかったら目を右にスライドさせるのですが、申告書を提出している場合は「甲」の列、未提出の場合は「乙」の列までスライドさせます。例えば給与額88,000円ちょうどの場合、提出有で扶養している人数がゼロだと左から3列目の130円、提出なしだと扶養人数関係なく一番右の列3,200円があなたのその月の所得税額になります。
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乙、めっちゃ高いやんって思いませんか?思いますよね。もひとつ上の行も見てみてくださいよ、88,000円未満だとしても3.063%も天引きされるんですよ。そんなん絶対提出するしかないやん!ってなるのですが、実はこれ、同時期に1社しか提出できません。時期がかぶっていなければ年に何枚提出していても大丈夫なのですが。現時点で複数のアルバイトをかけもちしている人の場合、その中から一番収入の多いバイト先を選んで提出することになっています*2

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3. アルバイトをかけもちしている場合

「じゃあ残りのアルバイト先での所得税は乙で計算されてしまうってこと?」はい、そうです。しかも前述のとおり、年末調整をやってもらうには申告書の提出が必須ですから、提出しないアルバイト先では年末調整もやってくれません。年末調整は、申告書を提出した一番収入の多い1社でしか実施できないのです。えーまじかよと思うのですが、そこは落ち込まないでください。ちょっと面倒かもしれませんが、かけもちの人の場合は自分で確定申告*3することで、高すぎた乙の所得税を取り戻すことができます。

乙の所得税額ですが、本来の税額からはかなりかけ離れた金額に設定されているんです。そうでもしないと、みんな確定申告なんて面倒でわざわざやってくれないからですね、たぶん。確定申告しなかったらしなかったで、天引きされた乙の所得税はそのまま国のものになっちゃいます。国としては税収入が増えてラッキーて感じになるので、悔しかったら頑張って確定申告して取り戻すしかありません。方法は12月〜1月にかけて各アルバイト先から源泉徴収票が発行されるはずですから、それを揃えて*4税務署へ行ってください。係りの人が手取り足取り丁寧に教えてくれるはずです。遠い人はネットからでもできますよ。
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でもまあ実際、申告書が未提出なのにもかかわらず、甲で処理してしまっている会社もたくさんあります。その場合、各アルバイト代の合計が103万円以下で、かつ所得税も今まで天引きされたことがなければ、確定申告はしなくていいです。精算するものがありませんからね。いっぽう103万円以下だけど所得税がいくらか天引きされたことがあったり、103万円超えていたら確定申告が必要になるので、社会勉強がてらぜひやってみてください。

4. 源泉徴収票を提出しろと言われたら?

丁寧な会社の場合、「他のアルバイト先の源泉徴収票があったらそれも提出してください」というアナウンスがあると思います。これは現在進行形のかけもちのアルバイト先のことではなく、「(今年の場合)平成27年中に1円でも支払いのあった、すでに退職しているアルバイト先」のことを指しています。退職済みのアルバイト代があれば、それも合算して年末調整する必要があるんですよね。なのでその金額が記載されている源泉徴収票をくれってことなんです。源泉徴収票というのはその人の一年間の収入などを証明する小さな紙のことで、以下の記事で詳しく解説しているので時間があったら読んでみてください。

ただ、アルバイトさんにもきちんと源泉徴収票を発行している会社がどれだけあるかというと、うーんどうでしょうなんとも言えませんね。。いやもちろん必ず発行しなければいけないのですが、会社の規模が小さかったり、アルバイト代が合計たったの数万円とかだったら、発行してくれていないケースも多々見受けられます。もちろん前アルバイト先の担当者に連絡したり、だめなら税務署に相談するなり、まずはなんとか入手を試みてほしいのですが、どうも難しそうだということであれば、絶対に手に入れて提出しないと死ぬとかいう話でもないので、諦めてもいいのかな、、と私は思います(もちろんそのへんは自己責任で判断をお願いします)。源泉徴収票を提出しないからといって年末調整の対象外ってことにはなりませんしね。

5. アルバイト先が年末調整してくれない場合の対処法

よくある話ではあるのですが、申告書を提出させたにもかかわらず、アルバイトさんに年末調整をしない会社も存在します。理由はおそらく面倒だからです。アルバイトさんの年末調整は簡単な場合が多いので、やってあげればいいのにと思うんですがね。。

アルバイト先がちゃんと年末調整してくれたかどうかは担当者に聞いてみるのが一番ですが、12〜1月に発行される源泉徴収票でも判断ができます。

年末調整済みの源泉徴収票

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年末調整されていない源泉徴収票

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給与ソフトによるかもしれませんが、年末調整していない場合ははっきりと「年調未済」という記載がされていると思います。もうひとつの判定ポイントとしては、青色で囲まれた2つの欄が空欄になっているかどうかです。

年末調整されていないことが分かったら、3. アルバイトをかけもちしている場合 と同様、自分で確定申告をおこなってください。「支払金額」が103万円以下の場合は、一番右の「源泉徴収額」が全額戻ってきます。図の例だと5,000円ですね。ただし源泉徴収額が0円であれば、精算するものがないということで確定申告の必要はありません。

6. ボーダーラインが103万の理由

さっきから103万103万って言ってますが、なんでこんな中途半端な金額なのか、一応説明しておきます。所得税というのはあくまで「所得」に対して発生するものであって、「収入」に対してではありません。あなたの年収が103万だった場合、103万にそのまま税率がかけられるわけではないのです。
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自営業でお店やってる人なんかをイメージしてほしいのですが、お店の売上まるごとに対して税金はかかりません。まずは売上から人件費やら家賃やらの経費をマイナス(控除)して、最後に残った売上に対してはじめて税率をかけることになっています。会社勤めの人の場合でも同じで、年収からいくらかマイナス(控除)できる仕組みがあり、最後に残った「所得」に対してはじめて税率をかけることができます。

で、そのマイナス(控除)できるものはいろいろ種類があるんですが、アルバイトさんの場合この2つが主な控除になります。

  • 給与所得控除(65万)
  • 基礎控除(38万)

年収103万の場合、103-65-38=0円になりますよね。0円にいくら税率をかけても0です。104万だったら104-65-38=1万なので、この1万円に対して所得税が発生することになります。

7. 勤労学生控除を活用しよう

控除の話をしたついでに、勤労学生控除のことも書いて終わりにしましょう。前述の控除ですが、学生さんの場合はもうひとつ「勤労学生控除」というものが使えます。控除額は27万です。

ということは、年収130万までだったら、130-65-38-27=0円となり、所得税は発生しません。そう、103万超えちゃっても、この制度使えばセーフなのです。。と言いたいんですが、たしかにあなたの所得税は0円になりますが、残念ながら親御さんなどの扶養から外れることにかわりはないんですよね。。扶養から外れると、親御さんの所得税が高くなってしまうので、怒られるのが嫌な人はやっぱり103万円以内にセーブしておくのがいいかもしれません。

もしこの制度を使うなら申告書にその旨を記入します。詳しくはこちらの記事の最後、勤労学生の部分を読んでみてください。


以上アルバイトさんの年末調整についての解説でした。ややこしいなあ〜って感じかもしれませんが、この先就職してからもずっと使える知識だと思うので、ぜひ基本だけも頭の隅に置いておくとなにかと便利かなと思います。

※この記事の内容は更新日時点のものです。法改正など制度が変更されている場合もありますのでご注意ください

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*1:交通費は除きます。また、健康保険・厚生年金保険・雇用保険に加入している場合はその保険料額も除いてください。

*2:同時に何枚も出してる!やばい!ってなる人もいるかもしれませんが、アルバイト代の合計額が103万円以下であれば、そこまで問題はないんじゃないかと思います(あくまで私見ですが)。超えていたとしても自分で確定申告することでちゃんと綺麗な結果になりますので、そんなに慌てなくて大丈夫です。もちろん来年からは気をつけてくださいね。

*3:厳密には、所得税を取り戻すだけの手続きなので「還付申告」といいます。申告できる期間はその年の翌年1月1日から5年間です。参照:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2035.htm

*4:あとは振込先の口座情報の分かるものと、念のため印鑑を持参してください。

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